選ばれたのはラインベルド氏のデビュー作『The Discomfort of Evening』(不快な夜)。
小説は、ヤスという少女の物語。ヤスはオランダの厳格なキリスト教徒の農家に暮らしている。兄が行方不明となり、悲嘆にくれる家族がゆっくりと崩壊していく様がヤスの目を通して描かれている。
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マリーカ氏自身、オランダ南部の北ブラバント州で牧場を営む信心深い農家の家庭で生まれ育った。ブッカー賞のサイトによれば、マリーカ氏は現在も執筆活動を行うかたわら、乳牛の世話を続けている。マリーカ氏は自身を性同一性が既存の枠組みにあてはまらないジェンダー・クィアと捉えており、呼ばれる際は「彼」「彼女」という単一の個人ではなく「彼ら」という代名詞で呼ばれることを好む。
賞金の5万ユーロは翻訳者との間で折半する。
国際ブッカー賞は毎年、英語に翻訳され、英国またはアイルランドで出版された文学作品の作家に対して贈られる。2020年はコロナウイルスのパンデミックにより、国際ブッカー賞の受賞者発表は5月から8月に延期され、さらにオンラインで行われた。
ショートリストには日本の小川洋子さんの『密やかな結晶』の他、アルゼンチン、ドイツ、イラン、メキシコの作家の作品が挙げられていた。
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