2018年の平昌オリンピックで同門のアリーナ・ザギトワに屈辱的な敗北を喫したメドベージェワは、トゥトベリーゼ氏のもとを去り、新コーチのブライアン・オーサー氏に師事するためカナダに移住した。その後もメドベージェワはロシア代表選手として滑り続けたが、故郷を離れたため厳しい批判にさらされた...
ヘイトの世界チャンピオン
一部のファンはカナダへの移住は裏切り行為だとしてメドベージェワを非難した。またトゥトベリーゼ氏がインタビューで語った元教え子・メドベージェワに関する辛辣なコメントがファンたちの怒りを更に煽った。メドベージェワは別れの際に花束を贈ることさえしなかった(ロシアでは教師に花束を贈って感謝するのが通例)というトゥトベリーゼ氏の言葉は、フィギュアスケート界の名言となった。
またメドベージェワの大会での成績もSNS上でのヘイトスピーチ(憎悪表現)の原因の1つとなった。ブライアン・オーサー氏のもとに移った後、メドベージェワが表彰台で1位に立つことができたのは「上海トロフィー」の1度だけだった。2019年の世界選手権はトゥトベリーゼ氏の教え子のザギトワとエリザベート・トゥルシンバエワに敗れて3位に終わり、ISUグランプリファイナルには出場することさえできなかった。グランプリファイナルと欧州選手権の表彰台は、当時トゥトベリーゼ氏に師事していたコストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、トルソワの3人が独占した。ジャンプなどが失敗するたびに、トゥトベリーゼ氏がいなければメドベージェワは過去のように再び勝利することはできないとする意地悪なコメントがSNSに溢れた。この間、メドベージェワとトゥトベリーゼ氏の関係は冷え切ったままだった。2人が非常に温かく、誠実な関係にあるように見えた師弟関係の時とは対照的だった。
Посмотреть эту публикацию в Instagram
メドベージェワは「新しい体をつくる」ことや、ライフスタイルの変更について自ら語った。メドベージェワは体調回復や休息のための時間を多くとるようになったという。
ファンの夢は叶うのか?
メドベージェワはカナダでの練習について歓喜に満ちた発言をしていたが、それでも一部のファンはメドベージェワとトゥトベリーゼ氏の師弟関係復活にわずかな希望を抱いていた。そして再びその希望が湧き上がった。シーズン中にメディアで互いに批判し合っていたタラソワ氏とトゥトベリーゼ氏が、モスクワのテスト演技で2ショット写真を撮った。さらにトゥトベリーゼ氏はメドベージェワの演技に拍手をおくったのだ。これは互いに対立するファンたちを混乱に陥らせ、SNSでは思いもよらない説がささやかれ始めた。
インスタグラムには、メドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとで練習していた頃の写真や動画を公開しているファンアカウントが残っていた。フィギュアスケートの競技後に選手とコーチが採点結果の発表を待つためのスペース「キス・アンド・クライ」での数多くの写真や動画から、トゥトベリーゼ氏がメドベージェワの勝利をどれほど喜び、またメドベージェワがトゥトベリーゼ氏とどのように行動を共にしていたかがわかる。ファンたちは、その後トゥトベリーゼ氏は他の教え子たちとこのような温かい関係を持ったことはなかったと指摘している。
「みんなは、トゥトベリーゼの顔つきがよく集中して、 シリアスなのに気づいたかい? でもいつもこうだったわけじゃないんだよ。この小さな女の子( メドベージェワ)には彼女を大声で笑わせることができたんだ」
Посмотреть эту публикацию в Instagram
「質問:トゥトベリーゼがジェーニャと同じように目を向けていた教え子は誰?答え:誰もいない」
Посмотреть эту публикацию в Instagram
メドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとへ戻ったのは、オリンピックへのエントリー?
これまでのところ、トゥトベリーゼ氏側もメドベージェワも師弟関係復活を正式に認めるコメントは発表していないが、権威筋はメドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとへ戻り、すでに今日にも最初の練習を始めると主張している。
メドベージェワとトゥトベリーゼ氏は再び成功を収め、2022年冬季オリンピックで前回を上回る結果を出すことができるのだろうか?またトゥトベリーゼ氏の若い教え子たちが再びメドベージェワの前に立ちはだかることはないのだろうか?答えは待つしかない。通信社スプートニクは、これからもフィギュアスケート関連のニュースをお届けしてまいります。
2年前、トゥトベリーゼコーチの元を離れ、カナダに渡りオーサーコーチに師事していた #メドベージェワ 選手が、トゥトベリーゼコーチ率いるチームへ再び戻ることを決めました。この決断について、日本のフィギュアファンの皆さまはどう考えますか?
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) September 16, 2020
関連記事