ナワリヌイ事件を「ノードストリーム2」打撃に利用する動き= ロシア対外情報庁

© 写真 : State Dumaロシア対外情報庁のセルゲイ・ナルィシキン長官
ロシア対外情報庁のセルゲイ・ナルィシキン長官 - Sputnik 日本
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ロシア対外情報庁のセルゲイ・ナルィシキン長官は、同庁が動きを確認したとして「欧米諸国はいわゆるナワリヌイ事件を利用し、欧州向けガスパイプライン『ノードストリーム2』敷設に打撃を与えようとしている」と発表した。

ロシアメディアが伝えるところによると、同長官は「この動きの最大の標的がノードストリーム2であることが顕著になっている」と言及し、「ワシントンにとって同プロジェクト閉鎖は極めて重要。同プロジェクトは欧州向け米国LNGの輸出量を増やすホワイトハウスの計画を不透明にするからだ」と指摘した。

ナワリヌイ事件は国際法の侵害 ストルテンベルグNATO事務総長 - Sputnik 日本
ナワリヌイ事件は国際法の侵害 ストルテンベルグNATO事務総長
ナルィシキン長官は、欧米諸国はロシア野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の中毒をロシアの非とし、「罰」という名目でロシア産ガスの対欧州輸出を阻止しようとしていると説明。とりわけ米国はドイツに対してノードストリーム2計画の見直しを迫った。

ナルィシキン長官は近づく冬を前に、欧州が常識を示すよう期待すると結んだ。

アレクセイ・ナワリヌイ氏の入院

8月2日、オムスクでロシア野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が病院に搬送された。同氏は移動中の機内で体調急変。病院では意識不明の状態で人工呼吸器につながれていた。その後、航空機で独シャリテー・ベルリン医科大学に移送された。

ドイツ側は、ナワリヌイ氏の中毒は神経剤「ノビチョク」によるものと主張。一方、ロシアの医師はナワリヌイ氏の体内に毒物を確認できなかった。ドイツは主張の証拠をモスクワに提供しておらず、加えて中毒にはロシア当局が関与していると非難している。

「ノードストリーム2」

「ノードストリーム2」プロジェクトはバルト海底を経由してロシア沿岸部とドイツを結ぶガスパイプライン。プロジェクト参加者は主に欧州企業。計画では2019年内に建設完了予定だった。

本プロジェクト実施に反対しているのは一連の欧州諸国と、自国天然ガスを欧州に推し進めたい米国。

ロシア側はこれまで何度も「ノードストリーム2」はあくまでも商業的および競争に基づいたプロジェクトであり、ウクライナ経由の欧州へのロシア製ガス輸送の停止を意味するものではないと説明を繰り返してきた。

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