2020年の国連総会一般討論演説は、新型コロナウイルスの影響により各国の首脳が一堂に会することなく、事前に提出されたビデオ演説を順番に流す形式で行われている。
演説の中でコンテ首相は、目に見えない敵が我々の生活やこれまでに作り上げられてきた習慣を破壊したとし、パンデミックは世界のあらゆる地域、あらゆる国民に影響を及ぼし、人類に試練を与えたと指摘。悲劇は人類の考え方を変えたが、これは「新たな始まり」のチャンスであり、この機会を利用する必要性を指摘した。
さらにコンテ首相は「コロナウイルスを早急に収束させたいという願いと、できるだけ早く元の生活に戻りたいという気持ちを単純に結びつけてはならない。我々は新たな世界を構築することを目指すべきである。なぜなら、これまでの生活は完璧なものとは言えず、さらに改善できるからだ」と述べた。
その上でコンテ首相は、パンデミックが各市民に人間としてさらに向上できるかという挑戦状を突きつけたとして、このチャンスを無視すれば「許しがたい過ち」になると指摘した。
また、この変化を利用して、不公平、不平等を根絶する必要があるとし、平等でインクルーシブな社会は公正であるだけでなく、さらなる繁栄をもたらし、民主主義を全世界に広めるだろうと述べた。
一方、新型コロナウイルスのワクチン開発についてもコンテ首相は言及した。イタリア製ワクチンは世界中のあらゆる人々に供給される見通しで、世界には健康維持もままならない地域がたくさんあるという事実を無視して、地球の未来、子どもたちの未来を考えてはならないとコンテ首相は付け加えた。
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