先に、反政府勢力が抗議集会実施の申請を出していたが、香港政府は、新型コロナウイルス感染拡大の恐れがあるとして、これを却下していた。しかし、抗議活動家らは、インターネット上で、反政府スローガンを掲げた黒い服を着て通りに出て、道路を封鎖し、「カオス状態にする」よう呼びかけている。
警察は、無許可のデモ隊は、デモでよく使われるヴィクトリア公園からビジネスセンターへのルートで行進すると見ているほか、香港政府指導部の参加の下、国慶節の祝賀セレモニーが開催される予定となっているワンチャイの展示センター側の金紫荊広場にデモ隊が突入する可能性があると指摘している。このほか、過激派グループが繁華街の旺角で暴動を起こす可能性も除外していない。
2019年夏、中国政府による香港への統制を強める法案が採択されたことを受け、香港では大規模な抗議運動が起こり、デモは数ヶ月にわたり続いている。
6月30日、中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、香港国家安全維持法案を可決した。
香港は中国の特別行管区であり、アジア最大の金融の中心に数えられる。1997年に英国は中国に香港の統治権を返還したが、その際、中国政府と香港の関係は「一国二制度」の形態で発展させること、つまり、領土については特別な権利が認められることが条件とされた。香港の自治権は2047年に満了となる。
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