「目標の定量的無限性」というのは、ソ連の体育の教科書に出てくる用語です。意味しているのは、とても単純な変化、スポーツがゲームでなくなるという変化、転換です。それは、達成不可能な目標を抱いたときのこと。どれだけ練習しても満足のいく出来にはならず、目標は遠ざかっていくばかり。だから、目標の定量的無限性なのです。
私は以前から、パッシブな攻撃的な言葉に関心を抱いてきました。これはロシアでも他の国でも、家庭や学校など様々な制度の中で使われている言葉で、私たちの誰もが体験したことのある言葉です。こうした言葉はなぜかとても長生きでしぶとい。私たちはこうした言葉を聞いて育ち、なぜか分からないまま、それを自分の子どもたちに対しても再生しています。まさに「満足のいく出来ではない」という感覚、服装がなってないとか、やり方が良くないとか、座ったときに背中が曲がっているとか、あるいは真っ直ぐすぎるとか、そうした慣用句のような言葉を作品の一部にしようと思い、集め始めました。