「地域問題でトルコへの支援をやめた米国」

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東地中海のエネルギー資源をめぐり、トルコとギリシアとの間で緊張状態が続く中、米国のマイク・ポンペオ国務長官がギリシャ訪問を終えた。今回の訪問の中でポンペオ長官は、クレタ島にあるソウダ・ベイ基地を地域の重要な戦略拠点にし、米海軍最大級の軍艦「USSハーシェル・ウッディ・ウィリアムズ」を始めとする遠征海上基地を設置すると発言した。

米国のこうした行動について、トルコのアバント・イゼット・バイサル大学国際関係学科のカメル・カシム教授は、スプートニクからの取材に応じ、これは米国が、地域問題においてトルコを支持しないという立場を明らかにするもので、トルコと米国の関係にきわめて否定的な影響を及ぼすものだと指摘する。

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「米国はトルコとギリシャの対立を、北大西洋条約機構(NATO)の2つの加盟国間の緊張と捉えています。冷戦時代、米国はトルコとギリシャの対立問題に対してははるかに注意深い態度をとっていました。なぜなら当時のNATOの立場は現在のものとは異なっていたからです。米国にとっては、トルコとギリシャがキプロス問題やエーゲ海問題を原因として、紛争を起こさないことがきわめて重要だったのです。しかし冷戦終結後、状況は一変しました。米国にとって、トルコとギリシャの緊張関係は優先的な問題ではなくなったのです。キプロスのギリシャ側への武器禁輸の解禁はトルコと米国の関係に否定的な影響を与えました。現在、米国は両国が妥協点を見出すための努力を冷戦時代ほどは行っていませんし、この問題について仲介的な役割も果たしていません」。

またカシム教授は、トルコが、エーゲ海や地中海における自国の利益を追求する強い意思を持っている点を強調している。さらに、地域内でトルコが自由な行動を取っていることを米国は懸念しており、これにより米国政府は地域問題において支援をやめることになるとして、次のように述べている。

「トルコは、地域において強大な力を持つようになり、冷戦終結後はかなり自由な振る舞いをするようになっています。そしてトルコはエーゲ海および地中海における自国の権利と利益を最後まで主張する決意に満ちています。これを受けて米国は、とりわけ最近は良好とは言えないトルコとの関係を背景に、地中海問題の危機的状況に関する声明の中でも、トルコ支持を表明しなくなっているのです」。

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