2019年10月の台風19号による豪雨災害で、宮城県内では、災害関連死を含めて20人が死亡した。丸森町では、県内で最も多い11人が死亡し、今も1人が行方不明となっている。同町では阿武隈川の3支流が氾濫し、山間部では土石流も発生した。
丸森町は、豪雨災害から1年となる12日、追悼式を開き、遺族などおよそ100人が参列した。式の冒頭、参列者は犠牲者に約1分間の黙とうを捧げた。
被災した住宅やインフラの復旧作業は、今も続いている。内閣府のまとめによると、前後に襲来した台風15、21号の影響を含め、全国では未だ7895人が避難生活を余儀なくされている。保科郷雄町長は「復興にはまだ時間がかかるが、安らぎのある暮らしの実現へ一丸となって取り組む」と述べた。
また、母親を亡くした大槻恵太さん(37歳)は遺族を代表し、「なぜ家族を救うことができなかったのか、この1年苦しんできました。ただ、悲しんでばかりの姿を見せる訳にはいかないので、少しでも前を向いて生きていかなければならないと思うようになりました」などと亡き家族への思いを語った。
その後、参列者は献花台に白い菊の花を手向け、犠牲者に祈りを捧げた。
政府は、広範囲で甚大な被害を出した台風19号を「特定非常災害」に指定した。また、2020年2月に気象庁はこの台風を「令和元年東日本台風」と命名した。
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