「ノード・ストリーム2」建設は時間の問題=ドイツ外相

© AP Photo / Michel EulerГлава МИД Германии Хайко Маас
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ドイツのマース外相は、ロシアの天然ガスをバルト海経由でドイツに輸送するガスパイプライン「ノード・ストリーム2」について、ドイツの政治家から同パイプラインの建設中止を求める声が上がっていることを受け、声明を表した。マース外相は、ドイツは独立したエネルギー政策を実施しているため、ガスパイプラインの建設は時間の問題だとの考えを示した。

マース氏は「我われは、ここ欧州で我われのエネルギー政策とエネルギー供給について決定を下す」と述べ、米国は「昨年、ロシアからの原油輸入を2倍以上に増やし、現在、世界第2位のロシア産重油輸入国となっている」と言及した。

またマース氏は、米国が独立したエネルギー政策を実施しているように、ドイツも独立したエネルギー政策を行っていると指摘した。

ロシアの野党政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の中毒事件の後、ドイツの複数の政治家は、「ノード・ストリーム2」の建設に関わるすべての企業と個人に制裁を科すよう求めた。米国は、「ノード・ストリーム2」計画はドイツのロシアへの依存度を高める可能性があるとして制裁案を支持した。米国はドイツのロシアに対する依存度が強まる可能性を理由に、パイプライン建設を中止することが重要だと考えている。先にロシア対外情報庁の長官も、ナワリヌイ氏の事件を利用して欧米諸国が「ノード・ストリーム2」建設に打撃を与えようとしていると発表した。

アレクセイ・ナワリヌイ氏の入院

8月2日、オムスクでロシア野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が病院に搬送された。同氏は移動中の機内で体調急変。病院では意識不明の状態で人工呼吸器につながれていた。その後、航空機で独シャリテー・ベルリン医科大学に移送された。

ドイツ側は、ナワリヌイ氏の中毒は神経剤「ノビチョク」によるものと主張。一方、ロシアの医師はナワリヌイ氏の体内に毒物を確認できなかった。ドイツは主張の証拠をモスクワに提供しておらず、加えて中毒にはロシア当局が関与していると非難している。

「ノードストリーム2」

「ノードストリーム2」プロジェクトはバルト海底を経由してロシア沿岸部とドイツを結ぶガスパイプライン。プロジェクト参加者は主に欧州企業。計画では2019年内に建設完了予定だった。

本プロジェクト実施に反対しているのは一連の欧州諸国と、自国天然ガスを欧州に推し進めたい米国。

ロシア側はこれまで何度も「ノードストリーム2」はあくまでも商業的および競争に基づいたプロジェクトであり、ウクライナ経由の欧州へのロシア製ガス輸送の停止を意味するものではないと説明を繰り返してきた。

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