コロナウイルスの第一波流行のとき、多くのスポーツ選手が文字通り、これまでの生活リズムを狂わされることになった。リンクが閉鎖されたことで、トレーニングのスケジュールが乱れた。もしも第二波の到来で、最悪のシナリオが繰り返されれば、フィギュアスケートの選手たちは、どのようにして冷静さを保ち、綿密に立てられたスケジュールやトレーニングの管理といったスポーツ選手としてのリズムを維持し、超高難度の技を失わずにいることができるのだろうか?
コンディションを保つための最大の努力はできたとして、選手たちのモチベーションを上げる大会独特の雰囲気や他の選手との競争といったものの欠如にはどう対処すれば良いのだろうか。
国際スケート連盟(ISU)のアレクサンドル・ラケルニク副会長は、ロシアフィギュアスケート連盟は、ISUの計画に沿って行動していると述べている。「幸い、今のところ、アイスリンクでトレーニングすることは可能であり、また国内での大会は開催することができています。モスクワではロシアカップの第2戦が開催されました。しかし、今後の世界的な大会については、ISUではなく、新型コロナウイルスの感染状態によって左右されることになります」。
しかし、現在、ロシアのフィギュアスケート界にはもうひとつ、「ファンとコーチの論争の拡大」という別の問題がある。こうした争いはオンライン上で見慣れたものになりつつあり、その雰囲気はショービジネスと比較されるようになってきている。こうした状況は選手たちの心理状況、そしてキャリアの向上にどのような影響を与えるのだろうか。
チウノワ氏は言う。「ファンとコーチによるインターネット上の論争の対象となる選手たちはその争いに巻き込まれることになります。ただ、一般的に、選手たちの捉え方、感じ方はメディアに書かれているようなものとは違っています。若いフィギュア選手たちは、心理的にまだこうしたことを受け止められるだけの人生経験がありません。ですから、こうしたネット上の論争が、選手たちの人生の方向性を狂わせ、心に大きな傷を与える可能性があると思います」。