この試験には、新型コロナウイルスの既往歴がなく、なんらかの病気を発症しておらず、新型コロナの危険因子として知られている心臓病、糖尿病の疾患、肥満に該当しない18〜30歳のボランティアが参加する。
「ヒューマン・チャレンジ」と銘打ったこの計画を主導する研究者の一人、クリス・チュウ教授は、「ボランティアの安全を第一に考えている。私の研究チームは10年以上にわたり、呼吸器系のウイルスに感染した患者を安全面に気をつけて研究を行ってきた。完全に安全な研究は存在しないが、『ヒューマン・チャレンジ』のボランティアには、リスクが可能な限り最小化されるように最善を尽くす」と述べている。この試験では、体内でウイルスの増殖を誘発させるものの、症状を最小限に抑えるために可能な限り少ない量でボランティアに感染させることを目的としている。
「ヒューマン・チャレンジ」の第一段階では、新型コロナウイルスの発症に必要な最小限のウイルス量をボランティアにさらさせる予定。これは、新型コロナウイルスのワクチンが人体でどのように効果を発揮するかを確認するために必要なプロセスとなる。なぜなら、ウイルスに感染したことのない人がワクチンを受けた場合、その効果を正確に評価するのは難しいためだ。
人間が参加することになる試験は、ボランティアが試験に登録される前に、特別に招集された倫理委員会によって審査される。