研究者らは実験の一環で、マルハナバチの集団にチェルノブイリ原発周辺の放射線レベルに合わせた放射線をさらさせた。この放射線量は、多くの医療現場の治療で発生するものとほぼ同程度のもの。この実験は、研究室条件下で行われた。
この条件下で安全とされる放射線量でも、マルハナバチの繁殖レベルは30〜40%低下することが判明した。この被爆により新たな群れの数が減少し、コロニーの成長が著しく鈍化した。マルハナバチは、送粉者(植物の花粉を運んで受粉させる動物)の1つであるため、その数が減少すると生態系全体に悪影響を及ぼすことになる。
研究者らは論文で、これまで安全とされていた少量の放射線でも昆虫の健康にとって有害であると結論づけ、自然環境保護における放射線量の国際基準の見直しを求めている。
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