菅首相はロシアとの領土問題の解決策を見つける意向 それは現実的か?

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日本の菅義偉新首相は、南クリル諸島(北方四島)をめぐる交渉を成功裏に終わらせ、平和条約締結を含む露日関係全体の発展を目指す意向。26日に行われた就任後初の所信表明演説で明らかにした。

だが菅氏はどのような方法を使って対露外交で成果を収めるつもりなのだろうか?なぜなら安倍政権下では南クリル諸島をめぐる交渉は事実上、袋小路に陥ったが、菅氏はその望ましい結果をもたらさなかった安倍氏の路線の継承者とみなされているからだ。

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政治学者で国際関係問題および日本研究の専門家であるドミトリー・ストレリツォフ氏は、菅首相は所信表明演説でロシアに言及せずにはいられなかったとし、それはロシアが常に国際政治の議題に取り上げられており、ロシアと関係を築くことは道理にかなっているからだとの見方を示し、次のように語っている。

「菅氏が(所信表明演説で)日露関係について言及しなかったとしたら、それは不可解だ。対露路線の急激な変化は、不自然に見えただろう。新首相は、政策は大きく変わっていないという継承性を示した。そして実際のところ、これは近い将来に領土問題が解決する見込みは一切ないことを示している。安倍氏の対ロシア政策は批判され、失敗だったとみなされたため、領土問題の解決に関する日本の熱意は現在、最低限まで低下した。」

ロシア科学アカデミー極東研究所のワレリー・キスタノフ日本研究センター所長は、 今夏にロシア領土の割譲を禁止するロシア憲法の改正が決まった後、日本は係争地である南クリル諸島返還への希望を失ったという意見が存在することに注目している。なお、ロシアのプーチン大統領がこの改正を「鉄筋コンクリート」のように強固なものと表現したのは注目に値する。一方、キスタノフ氏は、それでも菅首相は実際にロシアとの領土問題について再び活発な議論をすることができるとの考えを表し、次のように語っている。

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「この改正はロシアの国境画定、境界決定、および境界再決定を除いて、ロシア領土を割譲する行為の禁止を規定している。(国境画定とは、交渉による隣接国間の国境の一般的な位置と方向の定義としての国境の確立)国境画定に関する決定は、通常、国境の確立または変更に関する平和条約あるいは特別な協定の一要素となる部分だ。この例外は、ある瞬間に領土問題に関する交渉を活性化することができる一種の「抜け穴」だ。私は、日本の外交はまさにこれを考慮に入れており、現在の袋小路から抜け出すための可能な方法として検討していると考えている。なぜならプーチン氏と安倍氏はかつて1956年のソ日共同宣言を基礎に平和条約および領土問題の交渉を加速することで合意したからだ。プーチン大統領が(日本への2島引き渡しを規定している)この宣言を認めた場合、これが意味するのはただ1つ、ロシアは事実上、出来事がそのように進展することを許すということだ。問題は、この引き渡しがどのような形で実現可能となるか、そして4島のうち2島に対する領有権の主張を放棄することに日本が同意するかどうかだ。」

キスタノフ氏は菅首相について、「言葉でもてあそぶ」ことはしなかったと指摘している。菅氏は自民党総裁選に勝利した直後の記者会見で、4島すべてに対する日本の領有権主張を指摘した。

キスタノフ氏は、菅政権下では4島すべての返還に関するレトリックが厳しくなるだろうとの見方を示し、次のように語っている。

「菅氏は所信表明演説で、(2島のみを引き渡す可能性を許している)1956年のソ日共同宣言について言及さえしなかった。菅新首相は、南クリル諸島での共同経済活動の可能性についても一切述べなかった。これが意味するのはただ一つ、日本は4島返還を強く主張する意向であり、まさにこれに立脚しなければならないということだ。」

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