迎撃ミサイルシステムを石油掘削リグのような海上プラットフォームに設置する計画は突飛に思えるが、技術的には可能だ。
全長116メートル、全幅72メートル、高さ85メートルのCS-50プラットフォーム上に1814トンのレーダーアンテナ、各種装置、ジェネレーター、85人分の居住区が設置されている。
総じて、レーダーを海上プラットフォームに設置する例は成功している。しかし、こうしたプラットフォームは修理のため定期的にドックに入らなければならない。直近でSBX-1がハワイのドックに入ったのは2019年5月~9月である。
おそらくこれがミサイル防衛システムの拠点を載せた世界で唯一の海上プラットフォームであろう。この例は、イージス・アショアを海上プラットフォームに設置することは十分に可能だということを示している。施設全体で面積は全長約20メートル、全幅約20メートル、重量は金属構造物も含めて900トンと見積もられる。これはSBXレーダーの重量よりも軽い。そのため、イージス・アショアは多様なタイプの海上プラットフォームへの設置に十分適している。
海上プラットフォームには固定式と移動式がある。迎撃ミサイルシステムを配備するには自走式のプラットフォームの方が適している。第一に、アメリカが自国のミサイル防衛システムを拡大させている。アメリカ海軍はイージスシステムを搭載した艦船の数を2025年に48隻から65隻に増やす計画だ。同時に、古い型のシステムを新しい型に交代させることが想定されている。また、イージス・アショアをグアムとハワイに設置することも検討されている。もしそうなれば、日本の迎撃ミサイルシステムはポジションの変更を求められる可能性があるのだ。
自走式海上プラットフォーム上のイージスシステムはポジションを変更することができる。しかも、かなり迅速に。これをベースにした日本の迎撃ミサイルシステムは、固定式海上プラットフォームよりも状況の変化に柔軟に対応できる。
日本の防衛強化という全体的なことを言えば、地対空ミサイルや迎撃ミサイル、対艦ミサイルなど、さまざまなミサイルを海上プラットフォームに設置することには展望がある。
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