長年にわたりセキュリティ脅威の問題に取り組んできたシムロン氏は、フランスには民間人や軍事施設を対象にしたテロ攻撃の長い歴史があると指摘する。これら過激主義の現れは、他の過激主義者を真似したいという願望から生まれることがあるという。また注目を浴びたいという願望がテロリストを動かすこともある。しかし動機が何であれ、この現象を根絶するのはほぼ不可能であるとシムロン氏は考える。
「今、いわゆる“ローンウルフ”の波が起こっている。彼らと闘うのは大変難しい。世界最高の諜報機関でさえフランスのイスラム過激主義者一人一人の頭に侵入することはできない。まさにこの理由により、将来はこのような攻撃がさらに増えるだろう」とスプートニク通信に語った。
「フランスと全世界が目覚めつつある。2015年にテロ行為が頻発した際には、仏当局はこれら攻撃を“イスラムテロ”と呼ぶには慎重な姿勢を見せていた。今ではその考えは変わりつつある。ポリティカル・コレクトネスのウイルスは消え、そう呼ぶのに抵抗がない層が増えてきている」と結んだ。
10月16日、パリ郊外で歴史の教師のサミュエル・パチ氏が不審者によって頭を切断され、殺害された。パチ氏は授業で預言者モハメッドの風刺画を生徒らに見せていた。殺害の前にパチ氏には名指しの脅迫状が送られていた。パチ氏を殺害した男は警察に銃殺されている。仏反テロ検察のジャン・フランソワ・リカル長官は、襲撃した男は2002年モスクワ生まれのチェチェン人で仏での亡命申請を受理されていた。事件後、マクロン大統領は、フランス当局は「過激なイデオロギーの持ち主と彼らがつくった組織に対しする積極的な闘いを展開する」と警告し、風刺画の掲載が禁止されることはないと述べた。
またマクロン大統領は、世界中のイスラム危機について発言し、国家と宗教の分離をさらに強める法律改正を約束した。