インタビューに応じた中でマース外相は、「ジョー・バイデン氏が勝利したからと言ってすべてが解決するという幻想に身を任せてはならない」とコメントし、楽観的な見方にクギを刺した。
マース外相によれば、米国は国際政治と安全保障政策における自国の利益を再度確認し、積極的に影響力を行使するようになるという。そのうえでマース外相は、「この選挙で誰が勝利するとしても、欧州では依然よりも安全保障分野における自らの利益をさらに保護していく必要がある」と語った。
それと同時に米国と連携を深める必要性についても指摘した。特に、北大西洋条約機構(NATO)における欧州方面の強化や、アフリカで続く紛争調停における欧州の参加など、米国と密接な連携を取っていく必要があるという。
大統領選についてマース外相は陳腐な見方としつつ、「トランプ氏はアメリカ・ファーストを主張しており、バイデン氏はよりグローバルな協力体制を支持している」と発言、世界の趨勢を決める米国の選挙を「世界中が注目している」と語った。
米国の大統領選挙は11月3日に実施される。期日前投票はすでに一連の州で開始された。 今回の選挙は共和党推薦候補で現職のドナルド・トランプ氏と民主党推薦のジョー・バイデン氏の一騎打ちとなる。コロナウイルス感染拡大の影響で9000万人以上が期日前あるいは郵送で投票を行っているが、有権者は1億5千万強とされている。現時点で投票率は65%を超えており、1908年以来の最高水準となる。郵送投票が前例のない大規模なものとなり、結果が分かるまで数日、もしかしたら数週間を要する可能性もある。
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