同外相は首都アンカラで記者団に対し「昨日、停戦合意が調印された。現在は協議が進められている。どのような形で停戦を監視するか、管理するか。しかし停戦の管理プロセスは合同で行い、その後は、我々はアゼルバイジャンを支える」と語った。
チャヴシュオール外相はまた、停戦合意に基づきナゴルノカラバフの7地区は「完全にアゼルバイジャンに移行し、そのうち4地区はすでにその管理下にある」と述べた。
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は記者らに対し「私がコメントできるのは次のことのみ。それについては公表された共同声明文に一言も触れられていない。それについて3カ国は合意を試みたこともない、トルコ兵のカラバフ駐留も合意されていない」と語った。
カラバフをめぐるロシア・アルメニア・ アゼルバイジャン合意の内容
アゼルバイジャンのアリエフ大統領、 アルメニアのパシニャン首相、 ロシアのプーチン大統領は共同声明に署名。声明ではモスクワ時間 2020年11月10日00時00分よりナゴルノカラバフ紛争地 域における完全な停戦が宣言されている。
アゼルバイジャンとアルメニアは現在の位置に留まっており、 ナゴルノカラバフの連絡線沿い、 またナゴルノカラバフとアルメニアを結ぶ回廊沿いにはロシア平和 維持部隊が展開。国内の避難民・ 難民は国連難民高等弁務官の管理下に置かれたナゴルノカラバフ領 および隣接地域に戻りつつある。捕虜やその他被拘束者、 遺体の交換が行われている。同地域のすべての経済・ 輸送ラインは閉鎖されており、 輸送管理にはロシア国境管理機関も一部協力している。
アルメニアのパシニャン首相は共同声明ついて、 これは辛い決断だったが選択肢は他になかったと強調した。一方の アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、 合意文書の署名についてアルメニアの占領とコメントしている。
ナゴルノ・カラバフ紛争
紛争はナゴルノ・カラバフ自治州がアゼルバイジャン・ ソビエト社会主義共和国からの離脱を宣言した1988年2月に始まった。 1992年から1994年の武力衝突でアゼルバイジャンはナゴル ノ・カラバフ及び隣接する7つの地域の支配権を失った。
アゼルバイジャンは領土保全を主張しているが、 未承認国家ナゴルノ・ カラバフは交渉当事者ではないためアルメニアがナゴルノ・ カラバフの利益を擁護している。 19世紀から現在までナゴルノカラバフ住民の8割以上はアルメニ ア人。残り2割はアゼルバイジャン人、ロシア人、その他民族。