トランプ政権 この4年で米軍はいかに変化したか

© 写真 : Public domain / U.S. Department of Defenceトランプ政権 この4年で米軍はいかに変化したか
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ドナルド・トランプ氏の大統領任期は終わりに近づこうとしている。選挙の公式的な結果はまだ宣言されていないものの、現職のトランプ氏の敗北を疑わない者はほぼいない状態だ。トランプ氏は大統領に選ばれた際に米国の軍事力の「復活」を約束した。4年の間、ホワイトハウスの尽力は米国の直接的な国防に必要なあらゆるリソースを国防総省に保障することに焦点が当てられてきた。ここで最重要な変化が起きた分野を全て検証してみよう。

宇宙空間で戦争

2018年、トランプ米大統領は米軍にとって6番目となる新たな種類の軍創設を決定した。それが宇宙軍だ。米宇宙軍は従来のそれぞれの軍と同等の権利を持ちながらも、独立した存在となるべく創設された。

米宇宙軍には 宇宙空間での電子戦、軌道上での戦闘行為、宇宙戦の制御や宇宙へのアクセス、宇宙戦争で覇権を握ることなど、蓄えるべき新たな能力、ミッションが余りある。

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未来の戦争はトランプ氏いわく空中戦、地上戦、海上戦に限定されない。宇宙空間もサイバー空間もその舞台となる。このために今の形での兵器による戦闘はさらに困難さを増す。

核兵器をリニューアル

トランプ政権では今後30年間で核兵器を刷新し、戦略核兵器の維持に12兆ドルを費やすことが決められた。

米海軍では、オハイオ級原子力潜水艦を新式のコロンビア級弾道ミサイル原子力潜水艦と入れ替えが図られる。

米空軍では新型ステレス次世代爆撃機B-21「レイダー」が軍備に加わる。これは核兵器としても通常兵器としても地球上のいかなる場所で使用することが可能だ。

この他米空軍は、旧弊な大陸間弾道ミサイル「ミニットマンⅢ」400基超の全てを新型ミサイルと交換しようとしている。そしてすべての最終段階として新型の戦略巡航核弾頭搭載ミサイルが軍備に入る。

極超音速兵器

ARRW(空中発射高速レスポンス兵器=Air-launched Rapid Response Weapon)の極超音速ミサイルAGM-183Aについて、米国がその性能を公開したのはつい先日。トランプ氏が「ものすごい」ミサイルがあると言っていたのがこれであることは、ほぼ間違いない。米空軍の発表では、このミサイルの射程距離は1600キロ。これを10-12分間で飛行する。同ミサイルはロシアの極超音速ミサイル「ツィルコン」にとっては強力なライバル競争を挑むことになる。ツィルコンの有効射程半径は複数の情報によればわずか1000キロだからだ。

こうした全てのこと以外にトランプ大統領は、米国の軍事行動を実現する上で様々な形で障害となる制限を全て取り除こうと躍起になっている。これに相当するのが2019年に失効した中距離核戦力全廃条約(INF)、それと延長の行方が見えない新戦略兵器削減条約(新START)である。

最後に、トランプ氏の約束上履行されずに残っているのがアフガニスタン、シリアに残る駐留軍の撤退だ。だがトランプ氏はこの整理をつけようと思えば、任期終了までまだ2か月がある。

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