研究チームは過去50年にわたる北大西洋のハリケーンの発生と経路、減衰速度などを調べた結果、発生した日に減衰する速度が現在よりも2倍速かったことを確認した。
研究チームはさらに、コンピュータ上のシミュレーションを行い、最近の海面温度の上昇とハリケーンの勢力の拡大には直接の関係があることを明らかにした。以前は、上陸した強力なハリケーンは最大で75%の水分を失い、発生の1日目に勢力が弱まっていたが、すでに温度が上昇した海上で発達したハリケーンはより多くの水分を取り込み、上陸後もその水分を使って、勢力を長期にわたり維持するという。
また水分を含んだハリケーンは、沿岸部だけでなく、さらに内陸部にまで到達し、これまでは安全圏とされていた場所にも被害をもたらす。
しかも、ハリケーンが取り込んだ水分は沿岸部に壊滅的な量の雨を降らせることになるという。日本の研究チームは、地球温暖化の結果、ハリケーンがより悲劇的なものになるとして警鐘を鳴らしている。