まず第1としては、米国はナゴルノ・カラバフにおける状況の激化への準備がおそらくできていなかったことが上げられる。
報道によれば、アゼルバイジャンがトルコと計画を打ち合わせていたのは明らかだという。
おそらく両国間では、軍事紛争での協力が検討されていた。
しかし、3月末、米国のステファン・E・ビーガン米国務副長官は、アゼルバイジャン政府が地域で発生しているすべての問題をもっぱら外交によって解決するということを、同国と合意していた。これにより米国はアゼルバイジャンへの軍事支援の継続が可能となった。報道によれば、このことが、軍事紛争に向けたアゼルバイジャン政府の準備について米国が何も知らなかったことを証明しているという。
第2として、ナゴルノ・カラバフへロシアの平和維持軍が派遣されることを予め予測できなかったという米国の諜報活動の不手際が上げられる。
このほかに報道では、プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との非公開会談の詳細が明らかでないことを指摘する。特に、ナゴルノ・カラバフ以外での影響範囲の分割に関する項目が両国の首脳間で合意がされたのか、謎が残されている。
報道によれば、結局こうした誤算から、同地域での米国の利益に重大な損害がもたらされたのだという。こうして、アルメニアにおける「民主主義革命」は現在脅威に晒され、同地域では避難者の問題が深刻化し、また、アゼルバイジャンでのロシアの影響力が増大している。