アル・ジュベイル外相は、もしイランが核兵器保有国となれば、他の国々もそれに続くだろうとの見解を示している。フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙は、外相が、サウジアラビアは国民と国境を守るためあらゆる手を尽くすと述べたと報じている。
記事では、サウジアラビアとイランは中東での主導的役割をめぐって対立していると指摘されている。イランは長年にわたり、原子力開発を行っているが、2015年に、国連安全保障理事会の常任理事国にドイツを加えた6カ国がイランとの間で、核兵器の製造を禁止する代わりにイランに対する制裁を解除するとした合意を結んだ。しかし、トランプ政権になり米国は核合意から離脱。イランのミサイル開発にも言及し、また地域紛争への介入を対象に含めたより幅広い新たな合意を要求していた。
サウジアラビアは米国の立場を支持しているとフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙は指摘している。アール・ジュベイル外相は、イランはこれまで圧力にしか反応してこなかったとした上で、バイデン氏が政権に就いた際、こうした政策に変更が加えられる可能性があることについては、現時点では様子を見るしかないと述べている。
サウジアラビアが核開発を行う可能性を除外していないことについては、すでに2020年の夏に世界のメディアによって報じられていた。ニューヨーク・タイムズ紙は、サウジラビア北西部で中国の専門家の参加の下、ウラン濃縮施設の建設が行われていないか米中央情報局(CIA)が調査を試みたとする記事を掲載した。しかし、サウジアラビア政府は、サウジはクリーンエネルギーへの移行プログラムの枠内での原子力発電所の建設しか行っていないとして、こうした疑念を否定した。
なお、これより前の11月12日、トランプ大統領がイランの主要な核施設への攻撃を予定していたが、後に思いとどまっていたと報じられた。