ベススメルトヌィ医師によれば、十分な栄養を摂取している先進国の住民にはビタミン不足は生じないという。例外としてはいくつかの地域の住民にヨウ素とビタミンDだけが不足している。また同医師は、すでに数年にわたりマルチビタミンは有益であるというよりむしろ健康にとって危険であると考えられていると指摘する。
このようにマルチビタミンの乱用はビタミン過剰症を発症させるおそれがある。とくにビタミンDとビタミンAのビタミン過剰症が危険だという。ベススメルトヌィ医師は、急性障害の診断はその不明瞭な症状からかなり困難だと強調する。
専門家は悪寒や疲労、無気力、尿量の減少といった症状に着目し、またビタミンDの過剰症の場合にはさらに嘔吐を挙げる。つまりすべて中毒の兆候だと言える。同医師は、マルチビタミンによってこうした中毒症状に至ることは簡単ではないが、しかし、一部の人たちはこれらを一握りほど摂取し、治療のリスクを高めていると解説する。