プーチン大統領はオンラインで行った演説の中で、人命救助を最優先として前例のない対策を採用してきたことを強調した。さらに、ロシアが開発した3種類のワクチンについて、その効果に関する最新情報を報告したほか、開発済みのワクチンについては広く世界に普及させる用意があると発言した。
また、世界恐慌以来、最大の危機を迎えた世界経済が抱えるリスクについて言及した中で、プーチン大統領は長期的な大量失業と貧困が今後の問題になるとして、各国が持つ財源を総動員して対応を急ぐよう要請した。また、この危機を通して環境により配慮し、さらに平等な形で世界各国がその富を享受できる形での経済回復を目指す必要性を指摘した。さらにプーチン大統領は、米国が世界経済の回復にもたらした功績を高く評価した。
G20の参加国は世界経済の回復に向けて刺激策を取り入れ、あわせて12兆ドルも投じてきた。そしていま米大統領が合衆国による努力について発言した通り、これは米国経済の回復に向けた大きな投資であり、それはつまり世界経済全体の回復を意味するものである。
なお、世界的に自国経済を優先する傾向が台頭している状況については警鐘を鳴らし、「保護主義を封じ込み、一方的な制裁を許してはならない」と発言した。プーチン大統領は世界貿易機関(WTO)についても言及し、「現代のチャレンジに応える」形で組織を再編させる必要があると指摘した。
プーチン大統領はG20サミットの開催に向けて議長国のサウジアラビアが進めた用意を高く評価した。21日から2日間の日程で開催されているG20サミットでは世界経済の回復や健康維持、人道に関する諸問題がテーマとなっている。