勝利の後、喜びの絶頂にあるトゥクタミシェワへスプートニクはインタビューに成功した。
「今、すごく幸せ。達成された結果でライバルとの競争を悩んでいた気持ちが軽くなったから。だって私はもう分かったもの。練習や張り詰めた作業の全てが無駄ではなかったんだってことを。コーチのアレクセイ・ミーシン氏はフリースケーティングの演技の直後、一言も言わなかった。私たちはただただ固く抱きしめあいました。言葉なんかなくても全て分かり合えたのよ。これは私たちふたりの勝利だった。ずっと待ち望んでいた勝利だということが。これでエキシビションの後はしばらく休める。そしてまた、練習を始めるわ。」
大きな拍手でトゥクタミシェワを祝いたい! 23歳という年齢でウルトラC級のエレメンツを SPとFSで合わせて3つもこなし、若手のライバルを大きく退けた。努力の賜物としか言いようがない。#フィギュアスケート #ロステレコム杯https://t.co/Oi3kyNP7Vy
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) November 21, 2020
大失敗のトルソワに一体何が?
トゥクタミシェワはFSのトリプルアクセルにさらに4回転ジャンプを加えたいと必死だ。だがリスクに出るよりも安定に軍配をあげることから、この試みはまだ解決していない。
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一方で若いライバルのアレクサンドラ・トルソワの方は大胆にもショートプログラムにトリプルアクセルを入れて難度をあげ、FSでは4つの4回転ジャンプを跳ぶと公言している。
トルソワはシニア入り以来、初めて表彰台に登れなかった。トルソワ自身はこれを、ロシア杯第4戦カザン大会後コンディションをもとに戻す時間が足りなかったと説明している。
功労コーチのアレクサンドル・ジューリン氏は、トルソワは確かに稀有な選手ではあるものの、大きな達成を競うスポーツはまさにこの、予測が不可能であるがゆえに面白いとして、次のように語っている。
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「私はトルソワの勝利を確信していました。でもモスクワのグランプリのFSの日は、彼女にとっては運のいい日ではなかったということです。アレクサンドラは発表していたウルトラCの技はほとんど何もできませんでした。そしてこれは客観的に評価に反映されました。逆に自分の作業を黙々としていた功労コーチ、アレクセイ・ミーシン氏のチームの方は全てがうまくいったのです。ブラボー、ミーシン! 彼の指導する2人は両者とも勝利を収めました。モスクワ大会という最難関の競争で教え子のミハイル・コリャダーが勝ち、女子でもエリザベータ・トゥクタミシェワが最上の演技を見せて勝利したんです。彼女が滑り終わるとホール全体が一斉に立ち上がりましたよ。彼女はフィギュアの選手生命は18歳では終わらないことを堂々と見せつけたのです。エリザベータは23歳で最上の演技を見せた。そこにはすべてがあった。ウルトラCのエレメンツ(要素)も見事な滑りも芸術性も。」
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予測はたてても無駄
女子の選手生命が18歳で終わることなどない。女子シングルに本当の意味で重要なのはまさにこのことなのだ。今回のトゥクタミシェワのあっぱれな勝利のおかげで女子フィギュアはさらに予測のつかないものとなりつつある。
「トップが絶えず入れ替わるからこそ、大会は結果が読めない。だから次の重要な大会(ロシア選手権)の予測を立てても無駄なんです。だって女子はアンナ・シェルバコワ、アリョーナ・コストルナヤ、アレクサンドラ・トルソワ、エリザベータ・トゥクタミシェワのいずれもが十分に勝利を勝ち取る力を同等に持っているのですから。」
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こう述べる一方でジューリン氏はトルソワの心的状態を心配するには及ばないと言い切っている。目的意識の高いトルソワは男性的な性格をしており、4種の4回転ジャンプをFSで理想的に成功させるという自己の目標達成に向かって執拗に突き進む彼女は失敗で折れるようなことはないからだ。