多くのウイルスは、アルコールのヒドロキシ基(-OH)の酸素原子が硫黄原子に置換されたチオール(-SH)を介して、細胞吸収のメカニズムを利用して細胞内に侵入することが指摘されている。
研究者らは今回、新型コロナウイルスの吸収阻害剤となりうる物質の評価を行った。この実験のため、チオールの硫黄原子を蛍光で標識し、細胞内での吸収試験を行った。細胞内の硫黄原子の確認は、蛍光顕微鏡を用いて行われた。
するといくつかの阻害剤は、チオール基の検出に用いるエルマン試薬の5000倍の効果があることが判明した。この研究の結果、今回の実験で使用した阻害剤の1つが、新型コロナウイルスが細胞に侵入するのを阻害する可能性があることが明らかになった。
研究者らは、この研究の成果は抗ウイルス薬の新薬開発に役立つと指摘している。