バイデン氏はこの声明をニューヨークタイムズ紙からのインタビューで表しており、その記事は2日付けの同紙に掲載されている。
インタビューでは、イランとの核合意についてバイデン氏が以前表明したとおり、米国は復帰すべきと思うかという問いに対し、バイデン氏は「たやすいことではないだろうが、復帰すべきだ」と答えた。
バイデン氏は、次期米政権は「連合国、パートナー国と協力して交渉に参加し、イランの核プログラムへの制限を強化、延長し、ミサイルプログラムに関係する補足的合意を策定していく」構えであることを明らかにしている。
バイデン氏はさらに、イランの核開発のコントロール機能を持つ合意が成りたてば、これは「地域の安定を確保する最良のツール」となると強調し、これが失敗した場合、サウジアラビア、トルコ、エジプトなど他の中東地域諸国も核兵器の開発に乗り出す状況が生まれかねないと危惧を表した。
包括的共同行動計画は2015年、イランと国連安全保障理常任理事国5か国(露米仏英中国)およびドイツの間で調印された。本合意によりイランは国連の制裁、欧米の一方的な制限措置が解除される代わりに核開発の制限を受けた。イランには今後15年間、濃縮度3.67%を超えるウランを製造してはならず、同濃度以下のウランの貯蔵は300キロ以下に制限し、重水炉はこれ以上建設してはならず、重水のこれ以上の保管も禁止され、核爆弾の開発は行わないこと義務付けられた。調印後3年が経過した2018年、米国は合意からの脱退を宣言し、イランに対する経済制裁を発動。これが引き金となり、イランは核開発の再開に踏み切った。
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