スイス経済教育科学省宇宙工学室のレナート・クルプン室長は、SRFチャンネルからの取材に、スイスの「クリアスペース」が欧州宇宙機関と緊密な協力を行い、世界初の宇宙ゴミのレッカー車「クリアスペースワン」が宇宙空間の定期的な清掃の端緒を開くだろうと語った。クルプン室長は、今や地球の軌道は人工衛星の破片が大量にちらばるゴミの集積場と化していると指摘している。
「ゴミハンター」の異名を持つ「スペースクリアワン」の課題は、慎重にゴミに接近し、マニプレーターでゴミをしっかりとキャッチし、それを極めて低い軌道まで移動させること。ゴミは大気圏で完全に焼却してしまうため、一切害が発生しない。
クルプン室長は、現時点で宇宙空間には10センチ以上の大きさで3万個を超えるゴミが浮遊している。現在使用されている600個の人工衛星がこうした破片と衝突した場合、爆発が生じる恐れがある。宇宙空間への打上げ回数が増えるにつれ、ゴミはますます増え、この先の衝突の危険は増す一方となる。クルプン室長は定期的に清掃を行う以外、手立てはないと断言する。この清掃に世界に先駆けて取り組むのがスイスのクリアスペースになる。
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