米フィラデルフィアにあるウィスター研究所のミケラ・ペレゴ氏率いる米国、ドイツ、ロシアの研究者らは、化学療法や手術でがんが治ってから数年後に、好中球と呼ばれる免疫細胞とノルアドレナリンやコルチゾールなどの特定のホルモンが、腫瘍の再発を促進する可能性があると仮定した。
そして実験室実験で、ストレスホルモンのノルアドレナリンが、マウスの休眠中の肺および卵巣のがん細胞を再活性化することが確認された。
血液中のノルアドレナリン値は、ストレス、ショック、外傷、不安、恐れ、緊張を感じた時に急上昇する。椅子から急に立ち上がった時でさえ、人間の血漿ホルモン含有量は1分後に数倍に増加する。
学者らは、ストレスホルモンを標的とする承認されたβ遮断薬(ベータブロッカー)の使用が腫瘍の再発防止に役立つとの見方を示している。実験的なβ遮断薬を投与されたマウスでは、がん細胞は活性化されなかったという。