ロシア選手権は12月22日から27日、チェリャービンスクで行われる。ロシア・フィギュアスケート連盟の定めるロシア選手権への出場資格には、ロシア杯への最低2回の参加が必須項目となっている。
3日午前、フィギュア2015年世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワ(23)と現欧州チャンピオンのドミトリー・アリエフ(21)両選手にコロナ検査で陽性反応が出たことが明らかにされた。ロシアのスポーツサイト「スポルト・デェーニ・ザ・ドゥニョム」の報道によれば、トゥクタミシェワはモスクワでのグランプリシリーズ「ロステルコム杯」の勝利の後、すでに体調が思わしくなかった。サンクトペテルブルクに戻った後も体調不良から練習には1度も出られず、コロナ検査を受けたところ、感染が判明した。
このニュースが駆け巡ったすぐ後、トゥクタミシェワと同じくミーシン・コーチに師事し、「ロステルコム杯」で優勝したミハイル・コリャダ(25)が喉の痛みを訴え、女子3位に健闘したアナスタシア・グリャコワ(18)も風邪をひき、そろってモスクワ大会に欠場と報じられ、激震が走った。しかもしばらく置いて、ミーシン氏は教え子のグレブ・ルトフリン(16)もコロナに感染したことを発表した。
2018年平昌五輪団体戦銀メダルのペアのエフゲーニヤ・タラソワ(25)/ウラジーミル・モロゾフ(28)組も出場を見合わせた。タラソワのほうが肺炎になってしまったからだ。
ロシア杯第5戦モスクワ大会は世界選手権2冠のエフゲニア・メドベージェワ選手(21)も出られない。メドベージェワはコロナ感染後、回復の途上にあるからだ。アイスダンスのヴィクトリヤ・シニツィナ(25)/ニキータ・カツァラポフ(29)組、アレクサンドラ・ステパノワ(25)/イワン・ブキン(27)組、ティファニー・ザホースキ (25)/ジョナサン・ゲレイロ(29)組も全員、様々な理由で出場を取り消している。
ロシア・スポーツ省は、ロシア選手権の新たな期日についてロシア・フィギュアスケート連盟側からの提案を待つ姿勢にある。ところが、ソ連功労コーチのタチアナ・タラソワ氏は大会延期論を激しく批判。選手権や大会の期日が選手の「コロナウイルスやインフルエンザ」の感染に左右されることなど、断じてならないと断言した。
「中止とは何事ですか? 選手もコーチもパーティーには出ない。ホテルで自分の部屋にいるか、自宅で休むか、次の大会の準備をしたらいいんです。」
コーチも遠隔
病気でトレーニングに参加できなくなるのは選手だけに限らない。コーチだって同じだ。先日、エテリ・トゥトベリーゼ氏も風邪をひいてしまったことが明らかになった。ただしコロナ感染の疑いはない。トゥトベリーゼ氏にチームが所属するスポーツ教育センター「サンボ70」のレナト・ライシェフ所長の話では、トゥトベリーゼ氏は遠隔でトレーニングを行っている。
この話はエフゲニア・メドベージェワ選手のこないだまでの状況を思い起こさせる。ジェーニャ(メドベージェワ)もカナダのブライアン・オーサー・コーチとはスマホを通してつながり、向こうはモニター画面で教え子をトレーニングしていた。
トゥトベリーゼ氏がロシア杯出場のカミラ・ワリエワ選手(14)に同行するかどうかは、まだ決定されていない。
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