フィンランド放射線・原子力安全センター(STUK)のペッテリ・ティーッパナ事務局長は、「この緊急事態は、放射線モニタリングシステムが、原発内の放射線レベルの上昇を検出したことによるもの」と会見で明らかにしている。
また、同事務局長は、「周辺住民の安全は確保されており、状況は住民にとって脅威ではない」と述べている。
ティーッパナ事務局長によると、オルキルオト原発は直ちに最高レベルの保護措置を導入し、異常を示した原子炉の自動緊急停止がなされたという。
事務局長は、「現在、原発は安定して安全な状態にある。日中の放射線量の急上昇はもうみられないが、上昇した原因はまだ分かっていない」と説明している。
テオリスデン・ボイマ社(TVO)のヤルモ・タンファ最高経営責任者(CEO)は、事故が起きたのは原子炉建屋内であり、通常は放射線レベルが高いため作業員がそこに入ることはないという。タンファ氏は、「そのためこの事態は、作業員に危険をもたらすものではない」とみている。
タンファ氏は、「原子炉の水のろ過システムに問題がある可能性を否定していない。原子炉内に放射性の水が入り、それが原因で警報が鳴った可能性がある。しかし、それはまだ明らかになっていない」と述べている。
原発内の放射線量がどの程度上昇したのか、タンファ氏はまだ明らかにしていない。
タンファ氏は、「これは原発の歴史の中でも異例のケースであり、これまでにここで起きたことはなかった」と説明している。
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