記事によれば、米沿岸警備隊には所属する砕氷艦は2隻。2020年8月、沿岸で起きた火災で損傷を受けた「Healy」と、1970年代に行われた探検で使われたうち、今日まで残っている最後の1隻「Polar Star」だ。対してロシアは砕氷船クラスの艦船は40隻。この余りの差からウォールズ氏は米国はちょっとやそっとでは北極でロシアの向こうは張れないと指摘している。
米国はなぜ老朽化した船を交換し、砕氷艦隊を拡大する計画を実現できないのだろうか。その理由をウォールズ氏は財政不足と指摘している。計画では砕氷船クラスの大型船3隻、小型船3隻の造船が見込まれているものの、実現したところでロシアの持てる数とは比較にはならない。
ウォールズ氏は、ロシアのほうは原子砕氷船ではるかに出力が高いのに比べ、米国のような経済大国がなぜ砕氷船の動力をディーゼル電気燃料にしようとするのか、不可解と指摘し、米国の北極圏における戦略は先見性と野心にかけていると結論づけている。
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