研究者らは、侵入するウイルスと戦うのではなく、臓器、組織、免疫系自体を標的とし、脳、血管、肝臓から結合組織や消化器までいくつかの方向で体を攻撃する数多くの異常な抗体(自己抗体)を新型コロナ患者から検出した。
また研究者らは、一部の患者には新型コロナ感染前に一定量の自己抗体が存在していたが、その他の患者には感染症が進行するにつれて自己抗体が出現したことも明らかにした。
入院した患者の5%超が、インターフェロンによって制御される重要な免疫での防御要素を弱める自己抗体を持っていたという。
自己抗体に関連するその他の病気
通常抗体は、ウイルスの表面にあるタンパク質に付着してウイルスをブロックするが、自己抗体は不規則な形状であるためヒトの細胞にあるタンパク質と誤って結合する。
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症などの病気は、免疫系の機能障害と免疫系が誤って自分の体を攻撃することによって引き起こされることがずいぶん前から知られている。一方、自己免疫反応を誘発するウイルス感染症の能力はあまりわかっていない。
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