S7グループ(S7航空の親会社)の乗客局のスヴェトラーナ・クリュキナ局長は、プレスリリースで以下のように発表している。
「私たちは、ペットを座席に乗せて輸送できる可能性を慎重に検討し、フライトにおける厳しい安全要件と機内の全ての乗客の利益の両方を考慮した最良の選択肢を選びました。この新サービスで、より大きなペットを機内に連れて行くことができるようになりました。例えば、ビーグル、コッカースパニエル、ジャック・ラッセル・テリア、太った猫は、より頻繁に飼い主と一緒に空の旅ができるようになります。」
この新サービスでは、ペット2匹を機内に運ぶことができる。ペットにはエコノミークラスの窓際の席が割り当てられ、飼い主がその隣の席に座るようになる。
また、その場合の重量はペットとコンテナ合わせて23キロ未満であることが求められている。さらにペットが入ったコンテナを座席の前の下に置きたい場合は、高さ20センチ未満のコンテナ、あるいは縦55センチ、奥行き40センチ、高さ25センチ未満の柔らかい素材のキャリーバックとペットとの合計の重量が10キロ未満を条件としている。
ペットの運賃は、「お客様が選んだ到着地の運賃に対応した」ものになるという。チケットの手配は、S7航空のコールセンターや航空会社の事務所で可能。
S7グループは、ペットは慣れないフライトで飼い主と一緒にいることが、飼い主にとって重要ではないかと考え、この新サービスを導入することにした。
機内に乗った「太っちょ猫」
ペットを機内に同伴する問題は、1年前にロシアのアエロフロート便に乗客のミハイル・ガーリン氏が太った飼い猫と搭乗した事件後に活発に議論されるようになった。2019年11月、ガーリン氏はフェイスブックで、モスクワからウラジオストクまでのフライトでペットの「太っちょ猫のヴィクトル」が貨物室で耐えられなくなることを恐れて、航空会社の禁止事項に反して機内に持ち込んだことを明らかにした。ヴィクトルの体重は、アエロフロートの規定より2キロ重かった。そこでガーリン氏は、フライト前のペットの体重測定で、ヴィクトルの替え玉として別の猫を使うことでこの規定をくぐり抜けていた。
この不正を知ったアエロフロートは、ガーリン氏をマイレージ会員から外し、14年間でためていた37万マイルを剥奪した。
その後ロシア運輸省は、ペットは体重によっては預かり荷物と一緒に貨物室に運ばれ、それによりペットの具合が悪くなってしまう問題について認めている。