米商務省のブラックリストには通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を筆頭とする一連の中国企業が入っている。先週末、このリストにさらに半導体メーカーの中芯国際集成電路製造(SMIC)が加えられた。
SMICのブラックリスト入り後、中国での半導体生産のために製造装置を供給しているオランダのASMLは、中国へのプラント販売を禁じられた。
フィナンシャルタイムズ紙は、匿名を条件に取材に応じた、欧州の大企業のある幹部職の発言を引用し、米政権の「アメリカ・ファースト」(アメリカ第一主義)政策にのっとった制裁体制は、米企業には中国企業との協力を例外として認めている一方で、他の諸国には中国市場からの撤退を強いていると報じている。この消息筋は「未だに米企業にはファーウェイの製品供給のライセンスが与えられているのに、欧州のサプライヤーはそれができない」と苦言を呈していた。
欧州に半導体メーカーまたは半導体生産用設備メーカーの多くは米国の知的財産権に依拠しており、どうしても同国が制裁を発動する場合、これと横並びしなくてはならない。
欧州の別の企業のトップもフィナンシャルタイムズからの取材に答え、軍事目的で使用される恐れがあるとして、自社には中国のバイヤー向けの部材供給は常に禁じられてきたと話している。ところが中国の部材市場は仲介者を通じて販売を図った米国のサプライヤーによって瞬時に占領された。
フィナンシャルタイムズ紙は、マイクロチップが中国の軍事力の伸長に利用されることを阻止しようとする米政権のアプローチを支援してきた欧州の技術系企業の幹部らは、(米国の)一方的な制裁にさらに幻滅し、米の知的財産の使用を減らそうとしていると書いている。
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