スプートニク日本
観覧車でテレワーク、東京でのBLMデモ、日本の漁師がロシア人一家を救助した話・・・

2020年に「スプートニク」がお伝えしたもっとも興味深い記事
2020年は世界中の人々の生活における、ほぼすべての物事を変えたが、マスコミもその例外ではない。ジャーナリストたちも、コロナ禍の新たなルールに従って仕事をしなければならなくなった。記者会見、インタビュー、ルポルタージュ、そのすべてがオンラインとなったが、もちろん、これらは対面での交流とは比べものにならないものであった。しかし、こうした危機に直面したことにより、新たな働き方が模索され、これまでにはなかった情報の捉え方が生まれた。観覧車でのワーケーション、東京で行われた少数派を支持するデモ、日本人の漁師がロシア人一家を助けた話・・・など、ここでは、今年「スプートニク」がお届けした記事の中から、とくに印象深い内容のインタビューやルポルタージュをご紹介する。
新型コロナウイルスが世界中で拡大し始めた頃、最初に被害が広がったのは欧州、中でも深刻だったのがイタリアとスペインであった。「スプートニク」の記者、アナスタシヤ・フェドトワは、そのときちょうどマドリードに駐在していたことから、その状況のさなかに身を置くこととなった。

その数週間前までコロナを嘲笑していたスペイン市民が、いかにして除菌液やトイレットペーパーの買い占めに走り、その後、厳しいロックダウンを経験したのかについての記事はこちらから。
新型コロナウイルスによるパニックは日本にも到来した。商店の棚からは必需品が消え、地下鉄や通りでは、マスクの着用を拒否する人々が攻撃されるという事件まで発生した。コロナウイルスの感染拡大が始まったころ、日本では何が起こっていたのかについてはこちらの記事でどうぞ。
働き方の変化
しかし、日本での自粛は他の国に比べてそれほど厳しいものではなかったため、東京特派員のエリャ・シュミロワは、基本的に通常通りの勤務形態で仕事をしていた。

例外となったのは、オフィスで仕事ができず、家庭にも仕事のための環境が整っていない人のために特別な場所が作られたよみうりランドの観覧車からの取材を行った日だけである。遊園地の中にいながら、記事を書くというのはどういうものなのかについては、こちらからどうぞ。
一方、モスクワ本社の社員らは、今年ほぼ1年間、テレワークを行うことになった。誰もが、新しい勤務形態に慣れ、家庭内に仕事場を作る必要に迫られた。「スプートニク」の社員たちのリモートワークの場所がどのようなものなのか、そしてトトロや攻殻機動隊やカメが、テレワークとどのような関係があるのかについては、こちらをどうぞ。
新型コロナは勤務形態を変えただけではない。春に発動されたモスクワでのロックダウンはとりわけ厳しかったため、スポーツも家の中でせざるを得なかった。「スプートニク」記者で、空手家でもあるアントン・シチコフは、自主隔離中にどのようなトレーニングを行なっていたかについてお伝えした。
コロナウイルスだけではない
2020年の一番の話題といえば、もちろんコロナウイルスと、生活のあらゆる局面でのその影響に関する出来事である。しかし、コロナウイルスとはまったく関係のない重要な出来事、驚くべき出来事もたくさんあった。

8月末には、安倍晋三前首相が突然、首相辞任を表明。その後継者として首相の座に就いたのは菅義偉氏である。
11月には、米国で大統領選がスタートしたが、その投開票作業は、票の再集計が行われたり、トランプ氏が結果を覆そうとしたことにより、1ヶ月以上も続いた。しかし、最終的にバイデン氏が次期大統領に決まり、初の女性副大統領が誕生することになった。リュドミーラ・サーキャンは、カマラ・ハリス氏がいかにしてこの座に就いたか、またバイデン氏が大統領になれば米国がどうなるのかなどをテーマに、いくつもの記事を執筆した。
2020年、広島と長崎は原爆投下から75年という節目の年を迎えた。「スプートニク」の記者が広島で現地取材し、被爆者に恐ろしい体験と記憶について、また被爆体験伝承者にはその容易とはいえない使命について取材した。
12月に小惑星リュウグウから、計画以上の量の試料を地球に運んだ小惑星探査機「はやぶさ2」は歴史に残る偉業を達成した。記者会見を開いたミッションマネージャーの吉川氏は、「スプートニク」の質問に対し、今後の探査機の利用の計画について語ってくれた。
社会的事件
米国では、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に残酷な形で殺害され、大きな話題となった。

この事件をきっかけに、人種差別や黒人に対する警察の暴力に反対するBLM(Black Lives Matter=黒人の命は大切だ)ムーブメントが巻き起こった。この動きは全世界に広がり、東京でもデモが行われた。
日本で、人種差別、女性差別、少数者などについての問題をめぐって、活発な議論が行われた。

なぜ、いじめや差別の問題を取り上げたナイキの広告が、「日本人を悪者にしている」と批判されたのか? また日本のLGBTの人々がどのように生活し、どのような困難を抱えているのか? あるいはいじめ問題の解決はなぜそれほど難しいのか?

「スプートニク」の記者、マリヤ・チチヴァリナは、活動家らやブロガーらとともに、これらの問題に答えようとした 。
ストーリー
しかしもっとも重要なことは、今年も感動的ないくつものストーリーを伝え、驚くべき人と交流を図ることができたことである。

「スプートニク」の記者、徳山あすかは、2016年に、「オートファジー(細胞の自食作用)の仕組みの解明」に対してノーベル賞を授与された大隅良典氏に大々的なインタビューを行い、大隅氏の研究や現代の科学についてお話を伺った。
現在、日本で生活し、ジムのトレーナーとして活躍するロシア人元力士(民族的には、大相撲史上唯一のロシア人)、ニコライ・イワノフさん(元幕内力士、阿夢露)も取材に応じてくれた。

また18歳の日本人女性総合格闘家には、伝説的な男性総合格闘家フョードル・エメリヤーエンコとの出会いについてお話を伺った。
今年はコロナのためにほとんどスポーツ大会が中止されたが、フィギュアスケートも例外とはならなかった。それでも、グランプリシリーズのロシア大会は開催された。

「スプートニク」の記者、タチヤナ・フロニは、グランプリシリーズ大会で勝利したエリザベータ・トゥクタミシェワ選手にインタビューを行った。また現役引退を表明したエレーナ・ラジオノワさんも「スプートニク」からのインタビューに応じ、紀平梨花選手と一緒に仕事をするのが夢だと語った。
長年の夢を叶え、自身のヨットで日本海沿岸での航海に出たロシア人一家が時化に遭い、日本の漁師に救助されたという感動的な話もお伝えした。その記事はこちらから。

筆者:ダリヤ ・グリバノフスカヤ

写真:REUTERS、AP Photo、AFP Photo、JAXA
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