作品名は「立体版シュレーダー階段図形」。これは、ドイツの自然科学者シュレーダーが発表した錯視「シュレーダーの階段図形」をもとに作られたもの。シュレーダーの階段は見る角度によって階段を「斜め上から見下ろす」「斜め下から見上げる」ことのできる不思議な図形で、杉原氏はこれに手すりを付けて立体化した。
一番上の段に赤いコーンが置かれた階段をぐるりと回転させると、いつの間にかコーンは一番の下の段へ。
しかしこの階段、実際に段差があるわけではない。階段のように見えていた部分は、ただの「絵」。階段に見えていたのは平面に描かれた模様が原因であることが分かった。
杉原氏によると今回の作品は、立体の絵と本当の立体とを混在させることで、平面である絵の部分も立体と見てしまう脳の振る舞いを調べる実験材料として作ったものだという。