アダノム事務局長は、2021年に国際社会を待ち受けているのは新たな挑戦であり、中でも特にコロナウイルスの新たな変異種だと語っている。
「現在、我々はウイルスのいかなる変異も、どういった方法でこうした変異がその拡大、人間への感染能力に影響するのかもよりよく理解するために、世界中の研究者らと緊密な作業を行っている。」
英国のコロナ変異種
12月中旬、英国政権は国内で2種の新型コロナウイルスの変異種が検出され、これが従来の変異種に比べ、感染速度が速いことを明らかにした。この変異種は9月、ウェールズ地方で検出されていたが、当初の感染速度のレベルは極めて低かった。研究者らによれば、変異種は11月末にさらにおよそ17種の変異体を生み出し、その後、急速に英国全土に拡大して、他の変異種を凌駕した。
現在の試算では、この変異種は従来の他のSARS-CoV-2株の1.7から2倍の速度で感染が拡大し、すでに南アフリカ、デンマークをはじめとする欧州数か国に潜入している。ジョンソン英首相は、国内で検出された遺伝子変異型のコロナウイルスは従来型より感染力が70%高いため、来年は入院者、死者の数が増大する恐れがあると指摘している。
変異種は英国以外にもトルコ、ドイツ、デンマーク、豪州、仏、サウジアラビア、オマーン、クウェート、イスラエル、日本でも検出されている。日本はこの事態を受けて1月末まで入国を禁止している。欧州の一連の諸国は英国との航空機の乗り入れを一時停止している。