英国の裁判所 アサンジ被告の米国への身柄引き渡しを拒否 健康上の懸念が理由

© REUTERS / Henry Nichollsアサンジ被告を支持している人
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英ロンドン中央刑事裁判所のヴァネッサ・バライサー判事は、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ被告の健康状態を懸念し、米当局への身柄引き渡しを認めない判決を下した。

バライサー氏は判決の際、アサンジ被告の健康状態が、身柄引き渡し要求を拒む唯一の理由であると指摘した。バライサー氏によると、うつ病や自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群を患っているアサンジ被告が再び自殺願望を持つ恐れがあり、自殺を決めた場合、自殺防止策をかいくぐって実行する恐れがあるという。

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バライサー氏は、「私は、アサンジ被告が米国で深刻な孤立を伴う行政処分を受ける可能性があることを考慮している。この孤立は、アサンジ被告の心理面に悪影響を及ぼす恐れがある」と述べている。

米国側の弁護士は以前、裁判官が米当局の要求を拒んだ場合、上訴することを明らかにしてきた。アサンジ被告の弁護士によると、同被告の訴訟を何年にもわたって行われており、英国の最高裁や欧州人権裁判所にまで進む可能性がある。そのため、今回の判決では初期段階の審議のみが完了したという。


ジャーナリストのアサンジ氏は2006年、 主に機密文書を公開しているサイト「ウィキリークス」 での活動に関連して広く知られるようになった。

アサンジ氏は2010年8月、米国当局からの関心が強まった時期 に庇護を求めるためスウェーデンを訪れたところ、 性的暴行に関する容疑がかけられた。2010年11月、 ストックホルムの裁判所は性的暴行容疑でアサンジに逮捕状を出し た。

2012年からアサンジ氏は、 ロンドンにあるエクアドル大使館の敷地内に避難していた。 その理由は、大使館の壁の外では、 暴行事件に関し裁判所に出頭しなかったために逮捕される危険があ るためだ。アサンジ氏に対する事件そのものは、 2017年5月に終了となっている。

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