米国のニーリマ・デンドゥルリ医師は、米CNNのインタビューで、パンデミックによる疲労が日常生活に悪影響を与えていると訴えている。また同医師は、患者を診ている時、自分は無症状の保菌者になってはないかと常に心配している。また、自分の子どもたちにオンライン学習を促すことも同医師から労力を奪っている。
同局の取材に応じた米国のサラ・タレントさんは、2020年7月に母親になった看護師。産後6週間にわたる厳しい隔離生活期間では、耐えがたいほどの孤独と無力感を感じたという。
米精神科医であるイタイ・ダノビッチ氏は、パンデミックによる疲労は、人々が長期間にわたって行動を変えるように求められたときに起こると考えており、これは短期間の変化よりもはるかに大きな困難を強いられると指摘している。人間が、例えば意識的に体重を落とそうとしたり、自分の行動を制限したり変更しようとすること事態は珍しくはないが、パンデミックの場合、制限は自発的ではなく外部からのものであり、さらに耐えがたいものとなってしまう。
ダノビッチ氏はCNNのインタビューで、パンデミックによる疲労は主に若者に影響を与えていると指摘している。同氏は、若者は衝動的な意思決定をする主な理由として、意思決定を司る脳の前頭葉が25歳までは完全に発達していないことを挙げている。このため、若者は行動のリスクとその結果を長期的な視点に立って検討する傾向が弱いという。
同局の医療アナリストのレアナ・ウェン氏は、新型コロナウイルスのワクチンの普及により、人類にとって良い時代がくるのではないかという希望が人々の間で生まれていると述べている。しかし同氏は、これには問題があり、ワクチンを接種することをためらう人もいるし、接種を希望している人のところではワクチンの流通に問題があり、ワクチン接種に至るまでには困難があると指摘している。
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