現在、2021年の原油需要は日量9590万バレルが見込まれている。
今年の主たる主導国は中国で、同じくインドやアジア太平洋地域の各国が予想される。OPECは、積極的なダイナミズムが石油化合物の原料の需要増加と世界の積極的な経済活動の増強を促進する力となると指摘する。
2020年の原油需要は実質的には日量9000万バレルだった。その際、原油価格はコロナウイルスのパンデミックと世界経済の低迷から20%の下落となった。しかし、すでに2021年1月6日には、北海ブレント原油の価格は2020年2月26日以来久しぶりに1バレル54ドル超に値上がりし、8日には55ドルを上回った。
2021年、サウジアラビアは2月と3月の産油量を日量100万バレル自主削減することで合意しており、これにより欧州やアジアの多くの買い手への供給量が減ることになる。OPECとOPECプラスの合意の下、ロシアとカザフスタンは2月と3月、サウジアラビアの割り当て分を利用して原油を増産する。
原油価格の下落
原油価格は3月頭に崩壊。その原因となったのはコロナウイルス蔓延による世界危機、そしてOPECプラスの減産交渉の決裂だった。新たな協調減産には23ヶ国が同意し、4月12日、合意締結の運びとなった。
新たな減産合意にこぎつけたものの、原油価格は高い水準で安定できないでいる。専門家はこれを、減産量が期待を下回ったこと、市場から過剰分を取り除くことができなかったためと見ている。依然として需要は少ないため貯蔵施設はほぼ限界状態のままだ。
石油貯蔵施設の限界は深刻で、WTI原油先物価格は大下落、一時マイナス価格となった。