森本さんが行うのはお金をもらって単に人々と一緒に時間を過ごすということだけ。その時、彼が特別に何かを保証するということは一切ない。彼は単に歩いたり、食べたり、飲んだりし、また、簡単なアドバイスをしたり、言葉をかけたりするだけ。つまり森本さんはただ仲間に加わるだけだ。現在、彼のこのサービスは1回1万円で、このほかに交通費や食事代がかかったらその費用の支払いが必要となる。
『レンタルなんもしない人』というサービスを始めます。1人で入りにくい店、ゲームの人数あわせ、花見の場所とりなど、ただ1人分の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください。
— レンタルなんもしない人 (@morimotoshoji) September 30, 2020
1万円と、国分寺駅からの交通費と、飲食代だけ(かかれば)もらいます。ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます。
森本さんはある日、ツイッターに、「1人で入りにくい店、ゲームの人数あわせ、花見の場所とり」など、ごく簡単な受け答えの依頼を募集した。ツイートは一気に拡散された。当初は無料だったが、その後、需要の高まりによって報酬を受け取るようになった。それから2年半で森本さんは「なんもしない人」でお金持ちになった。
食事をしたり、インスタグラム用の写真を撮ったり、公園でチョウを捕まえたり、仕事の話を聞いたり、離婚届の提出に同行して欲しいなどの依頼が寄せられた。自殺(未遂)する場所に連れて行って欲しいと頼まれたこともあったという。
森本さんは既婚者で、大学院を卒業しており、物理学を専攻していた。「なんもしない」サービスの提供を始める前は、出版社に勤務していた。サービスを始めてから3000万円を稼ぎ、著書『レンタルなんもしない 人のなんもしなかった話』を執筆、TVドラマにもなった。フォロワー数は、約27万人。