すでにこれまでに承認されている、もしくは現在、臨床検査が実施されているワクチンのほとんどは、ウイルス感染の媒介に重要な役割を果たす、ウイルス表面のスパイクタンパクを標的にしたものである。しかし、変異種はこのスパイク部分に変化を起こしているため、同種のウイルスであってもかなり大きく変異する可能性がある。近縁種であればその差異はさらに大きい。そこで、研究者らはスパイク部分が変化しても有効性を失わないような、より広い効能を持つ抗体の開発に力を注いでいる。
米国の複数の研究施設の研究者から成るグループは、新型コロナウイルスの多くの変異種だけでなく、ほぼすべての近縁種にも反応する万能抗体ADG–2の開発に成功した。「サイエンス」誌によれば、このような抗体は、すべての近縁ウイルスに効果を発する万能ワクチン開発の基礎になる可能性があるとのこと。
長期にわたる実験の末、米国の研究者らはADG–2は新型コロナウイルスの30以上の変異種とうまく結合するとの結論に達した。またこの万能抗体は、新型コロナウイルス感染症を引き起こすさまざまな“近縁種”の多くとも結びつくことも明らかになった。
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