新型コロナウイルスは飛沫感染以外にも、物質の表面に付着、長時間残存し、それが接触感染を起こすことが明らかにされている。この理由から特に不特定多数の人が触れるドアノブ、水道の蛇口などは清潔さを保つことが肝心だが、物質表面に付着したウイルスは微量なため、今までは綿棒でふき取っても従来のPCR検査では検出が難しかった。
島津製作所のプレスリリーズによれば、「新型コロナウイルス拭き取り検査試薬キット」は、専用濃縮液およびPCRに必要な試薬で構成されている。採取方法は簡単で市販の綿棒で物質表面を拭うだけ。これを生理食塩水などに浸し、専用濃縮液を添加し、遠心分離を行うことでウイルスを沈殿させて濃縮できる。検出を行うのは同社独自のPCR法。このキットの売りは今まで長くかかっていた検査時間を約100分に大幅に短縮したことと、超微量のウイルスでも検出が可能となったこと。
島津製作所は2016年発売の「ノロウイルス拭取り検査用試薬キット」でウイルス濃縮技術を培っており、キットには2020年4月発売の「新型コロナウイルス検出試薬キット」の技術と合わせてその成果が活かされた。
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