ガーディアンによると、女王の個人弁護士のマシュー・ファラー氏が1970年代初頭に大臣らに圧力をかけた。これによって英国の法案に修正が加えられ、女王は私有財産を公開しない可能性を得たという。
「気まずい」状況
報道によると、英議会は1973年、投資家がダミー会社を通じて密かに株式を取得することを禁止し、ダミー会社に顧客の個人情報の開示を義務付ける法案を可決しようとしていた。一連の政府のメモは、ファラー氏がエリザベス女王の個人投資金や保有株式の公表を防ぐために法律を変更するよう大臣らに圧力をかけていたことを示しているという。特に、王室がその財政状況に関する情報の開示を「気まずい」と考え、「苦境」に置かれたとみなしたことを物語るやり取りがアーカイブで見つかった。ファラー氏は貿易産業省の代表者らとの会合でこれについて伝えたという。
ファラー氏による介入後、英政府は特定の会社を株主の個人情報開示請求の対象から除外する権限を政府に与える条項を法律に盛り込んだ。この形式の法案は1976年に可決された。
この除外は、1970年代半ばに設立されイングランド銀行の地位の高い人物らによって運営されていたBank of England Nominees Limitedと呼ばれる会社にほぼ即座に適用された。1977年、まさにBank of England Nominees Limitedに女王の株式が譲渡された。
この除外は、イングランド銀行の金融商品仲介業者は同条項の対象ではなくなると政府が発表した少なくとも2011年まで、女王の私有財産を隠すのに役立ったとみられている。Bank of England Nominees Limitedは4年前に閉鎖され、その活動報告書は公表されたことがないため、株式をめぐって何が起こったのかは不明。
英王室は、女王側からのロビー活動や、政府に圧力をかけるために女王が同意手続きを利用したかどうかについての質問には回答していない。