元大統領に対する弾劾裁判の合憲性についてはこれまでに裁判所で審議されたことがなく、憲法学者らの間でも意見が分かれている。それでも上院は独自に採決を行い、賛成多数で合憲とする判断を下した。これにより、上院では弾劾裁判が継続されることとなった。
元大統領に対する弾劾裁判の合憲性については賛成が56票(うち6票が共和党議員)、反対が44票だった。共和党議員の大半が反対票を投じたことから、トランプ氏の無罪を何としても勝ちとる姿勢を強調した形となった。裁判でトランプ氏を弾劾するには67票の賛成が必要となることから、有罪となる可能性は低いと見られている。
上院では2月9日、弁護側と検察側が意見を交わした。ジェイミー・ラスキン議員(民主党)は1月6日に発生した議会乱入事件の映像を見せつつ、「これが弾劾に値しない犯罪なのだとしたら、ほかにどのような形で弾劾があり得るというのだ」と語気を強めた。
I am proud and heartbroken for my colleague and friend @RepRaskin, who has endured such terrible tragedy this year, yet is standing up through his pain to try to save our democracy.pic.twitter.com/tlYnt2gQWN
— Rep. Val Demings (@RepValDemings) February 9, 2021
一方、弁護側は弾劾について憲法が定める規定は現職の大統領を対象としたものであるため、トランプ氏に弾劾は適用できないとの見方を示した。
米下院は13日、ドナルド・トランプ大統領(当時)の支持者による襲撃で「反乱を扇動」したとして、弾劾措置決議案は賛成232、反対197の賛成多数で可決された。下院は25日に弾劾訴追決議を上院に送付。
退陣後、トランプ氏はホワイトハウスからフロリダ州の別荘へ向かった。