マシュー・パル氏は2016年、ロンドン市警、英国家犯罪対策庁など国の治安維持機関に対する管理を担当する5人組の検査官のひとりに任命され、13万3000ポンドの年俸が支払われた。
ところがパル氏はある時、同僚で自分より15か月前に採用された黒人で女性の検査官のウェンディー・ウイリアムズ氏の年俸が18万5000 ポンドと知り、愕然とした。パル氏はロンドンの労働問題裁判所に、内務省幹部は白人で男性である自分を差別していると訴えた。パル氏は審理で次のように述べている。
「私にとってはこれはなによりも正義に関わる問題だ。国家公務員になって35年、断固として市民に公平に接する組織で働いてきた。あらゆる指標において同一の職務をこなす人間に極端に異なる額を支払うとは根本からして不当である。」
英国政府は性別、人種による差別は行っていないとして非難を退けた。デイリーメールが英国政府の声明を引用したところによれば、政府は、パル氏が現在のポストに就任する前に管理職の給与引き下げ運動が開始され、パル氏はその新たな給与構造に従って支払いを受けることになったためと説明している。