これまでは、電子顕微鏡を用いてDNAやクロマチンの構造を可視化していた。しかし今回、英国の研究チームは、原子間力顕微鏡とスーパーコンピューターによるシミュレーションを組み合わせることで、常に曲がったり、形を変えていく「踊るDNA」動画を作成することに成功した。
この研究は、英リーズ大学、シェフィールド大学、ヨーク大学の研究チームによって行われた。
DNA dances: researchers capture moving images of small circles of DNA for the first time, and the results are spectacular: https://t.co/bf9rkNtrRV#YorkResearch @UniversityLeeds @sheffielduni @NatureComms @PhysicsatYork pic.twitter.com/GQKJYzpeKb
— University of York (@UniOfYork) February 17, 2021
動画を作成したシェフィールド大学のアリス・ペイン博士によると、DNAのような小さなものでは、DNA分子全体のらせん構造を見ることは非常に困難だったという。
同博士は、「私たちが作成した動画は、DNAのらせん構造をこれまでに見たことのないレベルで観察することを可能にしました」と説明している。
今回の研究について米テキサス州ヒューストンのベイラー医科大学のリン・ツェヒードリッヒ教授は、「細胞内のDNAの活動にとても重要な役割を果たすDNAスーパーコイルがDNAにどのような影響を与えるのかを理解し、いつの日かDNAスーパーコイルを模造・制御する方法を学ぶことができるようになることを期待している」と述べている。