大寒波のテキサス、グリーン電力の不確実性を露呈

© AP Photo / David Zalubowski米コロラド州で強い雪
米コロラド州で強い雪 - Sputnik 日本, 1920, 18.02.2021
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米テレビ局フォックス・ニュースが伝えるところによれば、南部テキサス州では、大寒波によって、風力発電のタービンが凍結し、停電に見舞われた。コメンテーターのタッカー・カールソン氏は、現時点で「グリーン電力」はきわめて不完全で、バイデン政権の計画から判断すれば、まもなく米国全土がテキサスと同じ運命を辿ることになるだろうと述べている。

テキサスでは、寒波の襲来とともに気温がマイナス18℃まで下がり、風力発電のタービンが凍結、送電網が機能しなくなった。数百万の住民が停電に見舞われ、電気と暖房のない生活を強いられることとなった。信号も消え、携帯電話も使えなくなり、学校は閉鎖され、自動車事故が頻発し、病院では予定していた手術をキャンセルせざるを得なくなった。カールソン氏によれば、ヒューストンではすでに寒波の被害に遭った数百人の住民が凍死を恐れて、まるで難民のように避難所に身を寄せているという。

カールソン氏は、天然ガスを主な電力源とし、米国でももっとも天然ガスの採掘量が多いテキサスでなぜこのような状況に陥ったのかとの疑問を呈し、テキサスで電力供給がストップするというのは、食料品店で餓死するのと同じことだと指摘している。

カールソン氏は、豊富な天然資源があることを誇りとし、そこから利益を求める代わりに、州政府は最近の傾向に従って、無謀にも代替エネルギー源である風力発電に頼る決断をしたと批判、15年前、風力発電所など皆無だったテキサス州が、現在は電力の4分の1を風力発電で賄っており、グリーン電力で利益を得ている企業を喜ばせていると指摘した。

寒波に見舞われるまでは、何の問題はないかのように見えた。しかし、今回の大寒波により、風力発電は機能しなくなり、人々は寒さに苦しむこととなった。AP通信Associated Pressによれば、少なくとも2人が凍死したという。2人の遺体はヒューストン近郊の道路脇で発見されている。

フォックス・ニュースは、バイデン政権が、「気候変動対策の計画実現を強化していく」意向を示している点を指摘している。カールソン氏は、これは電力料金の値上がりと計画停電の実施を意味するとし、「技術の発展に伴い、将来的には状況が変化するかもしれないが、現時点の技術レベルではこのような筋書きは避けられない」と述べた。

現在、多くの国々が化石燃料による発電をやめ、温室効果ガスの排出削減を目指している。これに関する日本の取り組みについては、「スプートニク」の過去の記事からどうぞ。

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