ACS Publicationsはリュックについて、ウォーキングの機械的なエネルギーを溜めてヘルスケア用センサーやポータブルな電子機器の充電に使用できるとなればスポーツマンや送電施設のない遠隔地で働く調査隊や救援隊に便利と評価している。また使われているオリジナル素材が背中にかかる負担を軽減するため、長時間のウォーキングによる背中、首の痛み防止にも一役買う。
歩く際の規則的な動きを電気へと変換するポータブルジェネレーターをリュックサックに内臓するというアイデアは以前にもあったがエネルギー効率が極度に低く、実現には程遠かった。今回、中国人科学者らはこの点を見事に克服した。
研究者らはリュックに2つのエラストマー(弾性を持った高分子)を用いた。これらはウォーキングの際に伸縮し、リュックが背中を圧迫するのを防ぐ。調査ではある姿勢でリュックが背中に掛かる負担を20%軽減することがわかった。この際に中の荷物はリュックの仕切りに沿って揺れる。
荷物の機械的な揺れは発電効率14%のナノ発電機によって電気エネルギーへと変換される。これくらいの発電効率であればLEDランプ、電動ウォッチ、蛍光灯の使用には十分足りる。開発者らは、将来的にはポータル電子機器、GPS、医療用センサーの使用に耐えるレベルまで発電効率を上げようとしている。