研究者らは今回、新型コロナウイルス感染後にMIS-Cを発症した子どもは、IgG抗体のレベルが高いことを突き止めた。IgGは通常、感染をコントロールするのに役立つが、MIS-Cの場合はこの抗体が免疫細胞を活性化させる。
IgGはマクロファージと相互作用し、マクロファージを過度に活性化させてしまうという。マクロファージは多くの組織や臓器に存在していることから、炎症のプロセスを推し進めていく。
成人の新型コロナウイルス重症者ではIgA抗体のレベルが上昇し、この抗体は好中球と呼ばれる免疫細胞と相互作用した結果、サイトカインが分泌される。そして、IgA抗体が多すぎるとサイトカインストームが発生する。
研究者らは、今回の発見が、免疫応答の保護機能を維持させつつその応答を抑止あるいは修正させ、有害な応答を減少させる治療法の開発に役立つことを期待している。